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2019/03/26 11:00

※こちらはSOUVENI-ART ZINE に掲載したものとなります。
スーベニアートでラインナップしているアイテムを西洋美術史の流れの中で一覧にしました。
○印がラインナップしているアイテムです。


西洋美術史 1

1. 古代ギリシア・ローマ
2. ゴシック
3. ルネサンス
4. バロック
5. ロココ
6. 新古典主義
7. ロマン主義
8. 写実主義/バルビゾン派
9. 印象派
10. ポスト印象派


1. 古代ギリシア・ローマ
古代ギリシア・ローマにおける美術表現は西洋美術の根幹をなす造形原理とされています。
古代ギリシアでは大理石やブロンズを用いて、人間の優れた現実の身体をもとに、
理想化された身体像が数多く作り出されました。
そして古代ローマではその優美な古代ギリシア彫刻の模刻(ローマン・コピー)が盛んに作られました。
後に起こるルネサンス(再生)はこの「人間本来のすばらしさ」の表現の再生を指しています。

●サモトラケのニケ ○ミロのヴィーナス ○ラオコーン
建築:パルテノン神殿、コロッセオ


2. ゴシック
キリスト教の教義とその視覚表現の考え方(裸体表現をタブーとする)は西洋美術の根幹をなすもう一つの造形原理です。
中世ではキリスト教の教義が絵画や彫像で視覚的に表現されました。
ゴシック美術は古代ギリシア・ローマが人体や物の立体感を捉え、自然主義的な表現であるのに対して、
抽象的で平面的、そして厳格な趣で表現しています。

○ジョット
建築:ノートルダム大聖堂(パリ)、ウェストミンスター寺院(ロンドン)


3. ルネサンス
ルネサンスは「再生」を意味し、それまでの中世の宗教中心の考え方ではなく、
古代ギリシア・ローマのような「人間本来のすばらしさ」を、キリスト教の影響を受けながら再び追求しました。
三次元的な空間を二次元上に再現する遠近法と、調和のとれた人間の身体表現の創出はその後の西洋美術の規範となりました。
古代ギリシア・ローマの造形伝統とキリスト教的世界観の融合は多くの最高傑作を生み出しました。

○ボッティチェリ ○レオナルド・ダ・ヴィンチ ○ミケランジェロ ●ラファエロ ●ティツィアーノ
建築:サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、サン・ピエトロ大聖堂


4. バロック
ルネサンスの絵画よりも、光と影を強調しドラマチックに表現するバロックですが、
宗教改革でカトリックとプロテスタントが対立する中、地域により主題は異なりました。
カトリックの地域ではカラヴァッジオ(イタリア)、ベラスケス(スペイン)、ルーベンス(ベルギー)らが
絵画の最高位とされる歴史画(宗教画)を、一方、礼拝するための聖画像を禁止するプロテスタントの地域では
レンブラント(オランダ)、フェルメール(オランダ)らが肖像画や風俗画、さらには静物画、風景画を多く描きました。

●カラヴァッジオ ●ベラスケス ●ルーベンス ●レンブラント ○フェルメール
建築:ベルサイユ宮殿、トレビの泉
音楽:バッハ、ヘンデル


5. ロココ
バロックの建築において装飾性が強まるにつれ、装飾的で優雅なロココへと移っていきました。
時代は絶対王政で貴族文化が花開き、宮廷での華やかな生活等が、軽妙にして洒脱、遊興的で優雅に描かれました。

●フラゴナール


6. 新古典主義
過剰に装飾的で感覚的なロココに反発し、
常に立ち返るべき古典、唯一絶対の理想美を体現した古代ギリシア・ローマへのルネサンス以来のリバイバルが起こりました。
伝統的でアカデミックな方法で普遍的なテーマを明確な輪郭線と正確な肉づけで描きました。

●ダビッド ●アングル
建築:エトワール凱旋門、マドレーヌ寺院、大英博物館、ブランデンブルク門
音楽:ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン


7. ロマン主義
新古典主義の抵抗勢力としてロマン主義が台頭しました。
ロマン主義は新古典主義の古典の安易な模倣を批判し、
また高貴な「歴史画」を頂点とするそれまでの「美のヒエラルキー」を否定しました。
個人の感受性によって「美」の判断は様々であるとして、多様な美、近代的な美のあり方を追求しました。
アングル(新古典主義)VSドラクロワ(ロマン主義)の対立構造はしばらく続きました。

○ドラクロワ ○ターナー
音楽:シューベルト、ショパン、リスト


8. 写実主義/バルビゾン派
新古典主義とロマン主義が対立する中、写実主義者を名乗ったクールベは「自分の見たものしか描かない」と
見たことのない英雄ではなく、名もない農民の生活や自然の姿等、今そこにある現実をありのままに描きました。
またミレーをはじめ、パリ南方のバルビゾン村に移住や滞在をして活動した画家達はバルビゾン派と呼ばれました。

○クールベ ●ミレー


9. 印象派
チューブ絵具が開発され野外での絵画制作が容易になると、
天候や時間による光の作用で対象の色調が多彩に変化することに気づき、その感覚的な印象を絵画で表現しようとしました。
印象派という名称はモネが参加したグループ展が、
モネの作品「印象ー日の出」の作品名をもとに「印象派の展覧会」と酷評されたことから広まりました。

●マネ ●ピサロ ●ドガ ○モネ ●ルノワール


10. ポスト印象派
印象派の「目に映ったイメージの再現」は外面しか目に映っていないとし、
ゴーギャンやゴッホらは想念(思い)をも視覚的に表現しようとしました。
一方セザンヌは一つの視点から遠近法を用いて物事を描くという従来の方法ではなく、
上下左右等、複数の視点から物事を捉えて、一つの平面に表現しました。
またこの頃は写真機の精度が上がる中、「絵画ならではの表現」への意識も高まっていきます。
こういったゴーギャンやゴッホらによる感情表現とセザンヌによる対象の捉え方は
後の多くの画家達に影響を与え続けることになります。

○セザンヌ ○ゴッホ ●ゴーギャン


以降はフォーヴィスム、キュビスムへと繋がっていきます。




<追記>
つづきまして、商品のラインナップはございませんが、20世紀以降の西洋美術史です。


西洋美術史 2

1. フォーヴィスム
2. キュビスム
3. ドイツ表現主義
4. 抽象美術
5. ダダ
6. シュルレアリスム
7. 抽象表現主義
8. ポップアート
9. コンセプチュアルアート
10. ミニマルアート
※1970年代~現在


1. フォーヴィスム
フォーヴィスムはポスト印象派のゴーギャンやゴッホらの感情表現をさらに推し進めました。
ゴーギャンやゴッホらは既に色彩を用いて内面を表現していましたが、
それは求める色彩をした対象物をそこに描き込むことで表現しました。
フォーヴィスムの画家たちはたとえ現実の色彩とは違っていても、
色彩を現実を再現するためでなく、感情を表現するものとしてそのまま使用しました。
その大胆な色使いの作風が野獣のようであるということからフォーヴィスムと呼ばれました。

マティス


2. キュビスム
キュビスムはポスト印象派のセザンヌの影響を強く受けました。
ルネサンス以降、一つの視点から遠近法や明暗法などを用いて三次元の対象を二次元の平面に立体的に表現してきましたが、
キュビスムは対象をまず複数の視点で捉えて、次に幾何学的な形態(球、円錐、円筒)に分解し、
そしてそれらを一つの平面に立体的に再構成するというプロセスで描くことで、
従来よりもより正確に対象を表現しようとしました。
立方体を積み重ねたようなフォルムからキュビスムと呼ばれ、その作品は感情や感覚的なものではなく、
頭を使って分析的に表現されています。

ピカソ ブラック


3. ドイツ表現主義
ポスト印象派のゴーギャンやゴッホ、さらにはフォーヴィスム等で見られた感情表現はドイツ表現主義へと続きます。
表現主義とは感情を表現する芸術のことです。
このドイツ表現主義は後の抽象美術や抽象表現主義に影響を与えます。




4. 抽象美術
抽象美術の代表的な画家であるカンディンスキーは感情を表現し、
そしてピート・モンドリアンはキュビスムの構成原理をさらに徹底させました。
ドイツ表現主義の一派「青騎士」の中核を担ったカンディンスキーは、
ある日、横倒しになった自分の絵を見て、何を描いたかということよりも色彩の斑点の美しさが目に入り、
絵画は何か対象を描く必要はないと確信し、対象を描かずに感情を表現しました。
一方、ピート・モンドリアンは感情を一切排除し、キュビスムの構成原理をさらに徹底、単純化させて推し進め、
構図においては水平と垂直、色彩においては赤青黄の三原色と白黒の基本的な要素だけで表現しました。

カンディンスキー ピート・モンドリアン クレー カジミール・マレーヴィチ


5. ダダ
ダダはそれまでの芸術を否定した芸術運動で、第一次世界大戦の最中にチューリヒから始まりました。
機械文明・科学技術の発達は史上初の世界戦争をもたらし、その中で人間性を取り戻すために、
それまで正しいとされてきた既成概念を芸術を含め否定しました。
マルセル・デュシャンはどこにでもある既製品にサインをすることで、それも芸術作品として成立するという理論を提示し、
「個性や才能に支えられた芸術」という既成概念を破壊しました。

マルセル・デュシャン


6. シュルレアリスム
ダダの破壊精神を引き継ぎ、既成概念を否定しました。
詩人ブルトンは常識や慣習で囲い込まれた人間の解放を謳う「シュルレアリスム宣言」を発表し、
夢や無意識の世界に新しい芸術の価値を見出そうとしました。
画家たちはそのシュルレアリスムならではの手法で作品を制作しましたが、そこには大きく二つの手法があります。
その一つは、あらかじめ描く内容を想定せず無意識任せで描いていくオートマティスムという手法で
無意識の世界を表現しようとしました。
これはエルンストやミロが代表的で、後の抽象表現主義に影響を与えました。
もう一つは、互いに関係のない要素を偶然出会わせること、また日常見慣れたものを思いがけない視点で捉えることで、
夢や無意識下でしか起こりえない世界を現実以上にリアルに表現しました。
こちらはダリやマグリットに代表され、後のポップアートや広告美術に影響を与えました。

エルンスト ジョアン・ミロ サルバドール・ダリ マグリット


7. 抽象表現主義
シュルレアリスムや抽象美術、ドイツ表現主義の激しい感情表現の影響を受けてニューヨークを中心に隆盛しました。
第二次世界大戦の戦火を避けてヨーロッパの前衛芸術家たちがアメリカに多数亡命してきていた為、
これを機に美術の中心がパリからニューヨークへ移っていきました。

ジャクソン・ポロック マーク・ロスコ バーネット・ニューマン


8. ポップアート
ポップアートは画家の情念や感情が渦巻く抽象表現主義に対する反抗と、
また第二次世界大戦後のアメリカの大衆消費社会という時代背景から、
日常生活において誰もが知っている大衆文化に主題を求めて表現されました。

ロイ・リキテンスタイン アンディ・ウォーホル


9. コンセプチュアルアート
コンセプチュアルアートはポップアートの一見能天気な傾向を批判し、
作品とはアーティストの思考と言語と現実認識の関係から生まれてくるものであると主張し、
制作されたモノ自体ではなく、その概念・考え方を作品としました。

ジョゼフ・コスース


10. ミニマルアート
ミニマルアートはポップアート、コンセプチュアルアートと同時代に、
先行する抽象表現主義を一部批判しつつ継承し、
作品の構成要素をギリギリまで突き詰め、最低限の条件で作品を成立させました。

フランク・ステラ


※1970年代~現在
さらに多様な主義主張や表現形式が生まれ、また混在し現在に至っていますが、
いずれにせよ描写的表現にとどまらず、概念の部分に対する表現がより注視されるようになりました。